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第七回 自己再生コミュニティとしての商店街

2012年、商店街と親子をつなぐ親子で街デビュープロジェクトを立ち上げて2年目。文章講座をきっかけに地域新聞「わだっち」を創刊し、新聞発行がきっかけとなりわだっち×和田商店会で和田商店街ホームページを制作して、新しい動きが現実化し始めたころ・・・商店街の店主さんの多くが、プロジェクトの志や親子を商店街に招き入れる効果にまだ疑問を感じていた時に、1冊の本が私にスイッチを入れてくれました。

 

『WORK SHIFT』リンダ・グラッドマン著

個人も、会社も、「未来は過去の延長線上にある」と考えて、これまでのやり方を変えずにやってゆくというわけにはいかないのです。今後、どのように生きていくかについて、人任せにするのではなく、自分で選択をしかなければ大きな変化の波には対応できません。主体的に行動を起こす人、組織は、そうあってほしい未来を自分たちで築くことができます。

president.jp

 

 漠然と未来を迎える人は『アンダークラス』に陥る・・・子を持つ親である私にとって描かれた未来は刺激的でした。

ー世界が富を求めて動き出すときに、こぼれ落ちた個人が(わが子が)どう生きてゆけるだろうか?

ー競争社会を駆け上り、生き残る豊かな人々はどう見ても一握り。子どもたちに幸せな人生が享受できる未来を残したい。

 

折しもプロジェクトを通して、わが子の未来を商店街に見た母たちの熱い心と貢献と・・・冷え冷えした現実にあきらめにもにた苦い感情を持つ店主さんたちの温度差も・・・感じられ始めたころでした。

 

主体的に行動を起こす人、組織は、そうあってほしい未来を自分たちで築くことができる」著者の言葉にもありますが、与えられるのではなく現実的に起こすこと・起きることが重要です。

ー言葉で言ってはダメだ。気づきが生まれるまで、待たなければ。

ー現実的に起こしてみて、やってもらって、自分たちにできる力があることを実感してもらわなければ、前へは進めない。

ー改善だけでは信じてもらえない。みんなが一番喜ぶ「結果」は何か?

 

私が人知れず何度も壁に突き当たったとき、希望の光をくれたのが商店街の応援団「わだっち」の母たちの存在です。

 

赤ちゃんを抱え、育児休業の時間を費やして「商店街のおもしろさ」を知り、商店街で育つ「未来の子どもと自分の姿」を感じた母たちは、それぞれの力を模索し、商店街を応援することでその力を試していました。

ー文章講座で自分を見つめ、表現するおもしろさを実感した。

ー今までお客さんとして外から見ていた商店街を「自分たちのささやかな貢献」で望む姿に変えていける可能性を感じた。

ー書を捨てて、街に出よ!

 

商店街を応援する活動が、母たちの新たな能力への気づきを生み出し、開発し、チャレンジをするきっかけになっている・・・。母たちの熱のあるチャレンジが、冷えた商店街を温めている。創造性のエンジンを回す母たちにとって、商店街や商店街を応援するコミュニティ「わだっち」が、社会の荒波にもまれる中で生きる力を取り戻す自己再生コミュニティ」になっていたのかもしれない・・・新しい発見、私の気づきです。

 

ー地域社会や家族などの親密な関係が失われつつある中で、現実世界の中で頻繁に会い、一緒に食事をしたり、雑談をしたりする場所があること・・・「自己再生コミュニティ」を自ら選択しつくりだすことが、荒波にもまれた人生を生き抜く知恵や原動力になる。

ー創造的な出会いが、商店街の未来を創るだけでなく、それぞれの人生を創ることにもつながっている。

 

今まであることが当たり前だった商店街は、次世代を生き抜くすべての人々に向けて、意図して守り育てるに値する価値がある・・・自己再生コミュニティとして商店街を育て合う先に、今まで誰も見たことがない「創造的な街と親子の姿」が生まれることを確信しました。人に言う前にやってみよ!です。

 

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*1:2012年発刊のWORK SHIFT。最近出たLIFE SHFTとともに。人生100年・・・長いですね