第八回 そして種をまこう

まかない種は芽吹かない。

 

種を巻くことは、自分の中にある「こうありたい」という本質的なニーズや願望を、自覚して実現を試みる行動だ。

 

本質的なニーズは、人それぞれに違うもの。遺伝子のように、人それぞれの個性が違うように…蒔かれる種も違う。

大切なことは、様々な種が蒔かれてそれぞれのタイミングで芽吹くことを許すこと。畑を耕し、肥やしを入れて…自分や他者の芽吹きを許すことで、街は持続的な花畑になる。

 

種の性質や畑の状態、温かさや雨などの環境の条件で芽を出すタイミングが変わる。

季節や気象条件…種の種類。

自分自身の内的な事情や、自分を取り巻く外的な事情。出会いや様々な偶然が重なり、時の運も必要かも知れない。

 

親子で街デビュープロジェクトは、商店街を舞台に、店主や住民が「こんなことをしたい」「こんな街があったらいいな」を「新しい種」として街という畑に蒔く作業だ。

 

その人のタイミングで関わり、主体性を持ち「種をまく」。わずかな時間でも、ささやかな存在と思っても、蒔かれた種はそのタイミングが訪れた時に芽を出す。

 

誰かと一緒に種をまいたなら…「蒔いたね」「芽がでたね」と共に育ちを味わえる仲間が生まれる。畑を慈しむ行為が歓びになる。

 

美しい花の種を選りすぐり、雑草を抜き、美しい花だけの花畑をつくることはできるが…美しい花には飽きがくる。手間暇やエネルギーが限られる時、多様な価値観を受け取り育て合うことは持続的な花畑をつくる早道だ。

 

街に暮らす人、働く人の力を育て合うことは…時代の変化をするすると越えて、一人ひとりが生きる力を手の内に取り戻すこと。

いつか社会を回すエネルギーが乏しくなっても、人と人が生きていく限り…自分の力、他者の力を育て合うと、街は有機的に動き出す。

 

誰かが作り出来上がった街を買うよりも、自分達で育てた街は…自分達のしあわせにより近くなることは必然。掛かるお金もコントロール出来て「コスパ(コストパフォーマンス)がいい」。

 

次世代を担う子ども達が生き生きと育つ暮らしをつくるために、私達は種をまこう。

私達が創造性を発揮して「種は自分でまける」「花を咲かせる」ことができることを、子ども達にみせてあげよう!

 

気がつけば、子ども達が自分で種を蒔きはじめる、畑を耕しはじめる…そんな日は以外に近くにやって来ます。